休職後の復職について|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.47

休職後の復職について

ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
本日は、休職した従業員の復職についてお話したいと思います。
この場面でよく相談を受ける内容が
従業員が持ってきた主治医の見解が納得できない。
従業員の主治医の見解と産業医の見解に相違があり、復職させていいのか判断ができない。
というものです。
特に、復職判断の難しい精神疾患で問題になります。
今回も精神疾患による休職を前提にお話します。
一般的に、主治医の診断書には、「症状に鑑み、労務軽減措置を講じれば、復職可能。」などと記載されます。
主治医と会社側の判断(産業医の見解も含め。)のいずれが優先されるかは、個別の事情によりますが、一般的には、主治医の診断書は基本的に休職中の従業員の自己申告に基づく診断にならざるを得ないという限界があります。
しかし、だからといって会社側の判断が優先されるとは言えません(リワークプログラムなどを活用して、客観的指標に基づく判断であれば優先されやすくはなるとは思います。)。
ただ、経営者の方々に知っておいていただきたいとことは、前回のメルマガで復職の条件となる「治癒」の概念の定義を明確にしましょうという話がありましたが、その「治癒」に該当するか否かは従業員側と会社側、いずれが立証しなければならないかです。
この点について、裁判所は
と判断しています。
つまり、会社側は原則として、従業員から提示された診断書等に基づいて、休職事由が消滅し、休職前の業務を遂行できる状況になっているかを判断すればいいということです。
ですから、冒頭の主治医の診断書のような労務軽減措置が必要な復職可能という判断については、休職前の業務遂行はできないと判断し、復職を拒否することはできます。
また、単に「復職可能。」と記載された診断書であっても、確認のため産業医等会社が指定した医師の診断結果を踏まえて、復職の可否を判断することもできます。
いずれにしても、復職の判断は、休職前の業務を遂行できるか否かを従業員側が証拠で立証できているかで判断すればよいということになります。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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