大丈夫!?その休職制度|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.91
大丈夫!?その休職制度
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
本日は、実際の相談事例から休職制度について考えたいと思います。
相談内容は、以下のとおりです。
従業員の一人から、「適応障害」と書かれた診断書が出されました。その診断書には「1か月の療養を要す」と書かれています。
その従業員は、この診断書に基づいて休職すると宣言してきました。
そもそも、従業員の判断で休職ってできるんでしょうか?働けないのであれば、辞めてほしいんですが。
さて、どうでしょうか?
実際にこの会社の就業規則を見てみましょう。
第●条(休職事由)
従業員が、次の各号の一に該当するときは休職を命ずる。
(1) 業務外の傷病による欠勤が1ヵ月に達したとき、又は傷病により勤務に適しないと認めたとき(私傷病休職)
【(2)(3)省略】
(4) 前各号のほかそれに準ずる理由があるとき
まずは、休職事由に関する規定です。
休職については、会社が「命ずる」となっていますので、従業員の勝手な判断で休職はできないということになります。
つまり、今回の従業員の宣言には応じる必要はとりあえずないということになります。
次に、仮に休職を命じた場合、どうなるのか?
第●条(休職期間)
前条の定めに基づく休職期間は次の各号のとおりとする。
(1) 私傷病休職による場合で欠勤が1か月に達したとき
勤続年数にかかわらず 原則として6か月
【(2)省略】
(3) その他特別な事情によるとき
会社が必要と認めた期間
2 休職期間は、必要に応じて延長し、又は短縮することがある。
3 私傷病による休職の場合で、休職期間満了日前に復職し、復職の日から3か月以内に再び同一傷病で休職する場合は、前休職期間の残余日数を休職期間とする。
休職期間に定められた期間、従業員は休職することになります。
ただ、今回の事例はちょっと難しく・・・休職事由としては、「欠勤が1か月に達した場合」には該当しないので、「傷病により勤務に適しないと認めた」場合になります。
今回の就業規則では、実は、この場合の休職期間の定めがないんです。
私傷病休職による場合で欠勤が1か月に達した場合のみ、「6か月」という期間の設定はありますが、「傷病により勤務に適しないと認めた」場合の期間の設定がありません。
本来であれば、この辺りは丁寧に期間も定めるべきですが、今回は仕方ありません。
従業員の症状等に応じて、臨機応変に対応せざるを得ないでしょう。
では最後に、社長はこの従業員に辞めてほしいと思っていますが、それは可能でしょうか?
第●条(復 職)
休職期間が満了したとき、又はその事由が消滅したときは復職させる。
2 前項の規定により復職させる場合は、原則として旧職務へ配置する。ただし、業務の都合その他の事情により旧職務へ復職させることが困難な場合は、旧職務とは異なる職務に配置することがある。
3 私傷病による休職者が復職する場合は、会社の指定する医師の診断書を提出させることがある。
4 休職期間が満了してもなお、勤務不能なとき、又は復職できないときは自然退職となる。
休職期間が満了したにもかかわらず、復職ができない場合は、「自然退職」となります。
つまり、最終的には退職していただくことも可能です。
ただし、今回の事例では、休職期間の設定がないので、あまりにも短い期間で復職不可と判断するとリスクがあります。
休職期間中に従業員の症状の確認や診断書の提出等を求め、3か月程度の期間を設けて判断すべきでしょう。
今回の事例、いかがでしょうか?
なんか、恐る恐るの対応しかできない印象を受けませんか?
その原因は、就業規則の規定です。
このような従業員の退職が絡む場面では、特に就業規則の規定が重要になります。
はっきり言って、今回の就業規則は、期間設定の点に不備があります。
ぜひ、皆さんの会社の就業規則についても一度見直してみましょう。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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