解雇が有効となった事案から学ぶ その①|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.84
解雇が有効となった事案から学ぶ
その①
ウィンベルの山口です。
このメルマガでは、「クライアントの勝利の鐘(ウィンベル)を鳴らす」というビジョンの実現を目指す中で、
- 私が目指す弁護士像
- 私をどのように活用してほしいか
- 皆さんにとって有益だと思う情報の共有
などを週3回、午前8時30分ころに配信します。
是非お知り合いにも紹介してください。
[登録用URL]
https://39auto.biz/winbell/registp/entryform2.htm
金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
今日は、解雇が有効となった事案を通じて、労務管理の本質を学んでいきたいと思います。
非常に興味深い裁判例が出ました。
東京地裁令和7年8月21日です。
事案の概要
大手素材メーカーに勤務していた総合職社員が、「能力不足による解雇は違法」として争った裁判です。 この裁判では、裁判所は会社による解雇を有効と判断しました。裁判所は、
- 約9年間にわたり特別な支援体制を整え、継続的に指導してきた
- それでも改善の見込みは極めて乏しい
と認定しています。
能力不足を理由とする解雇で有効と判断した点は、実務的に非常に重要です。
【ポイント①】企業側の「徹底した支援」
裁判所が特に重視したのはここです。
会社は、
- 4回の部署異動(業務水準を下げる)
- 業務の難易度を段階的に引き下げ
- 面談を3か月に1回 → 週1回へ強化
- 教育担当との個別ミーティング
- 定型業務への配置転換
- 一般職へのコース変更提案
と、段階的かつ継続的に支援を実施していました。
つまり、「いきなり解雇」した訳ではないのです。
【ポイント②】「改善可能性」の有無
能力不足解雇における最大のポイントは、
- 改善指導はしたか
- 配置転換は検討したか
- 他職種への転換可能性は?
- 支援体制は十分だったか
です。
この事件では、9年間支援しても改善なしという極めて強い事実(会社が頑張った!)がありました。
ここまでやれば、裁判所は「企業は努力を尽くした」と評価しました。
いかがでしょうか?
この裁判例をみて、おそらく「9年も指導教育しないといけないのか~」と絶望した方もいらっしゃると思います。
ここに本質的なポイントがあります。
この点については、次回お話したいと思います。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
バックナンバーはこちら 弁護士山口への質問箱
Copyright. 2021 Winbell Co.,LLC





