色々調べれられる!?採用における調査の自由とは|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.71
色々調べれられる!?採用における調査の自由とは
ウィンベルの山口です。
このメルマガでは、「クライアントの勝利の鐘(ウィンベル)を鳴らす」というビジョンの実現を目指す中で、
- 私が目指す弁護士像
- 私をどのように活用してほしいか
- 皆さんにとって有益だと思う情報の共有
などを週3回、午前8時30分ころに配信します。
是非お知り合いにも紹介してください。
[登録用URL]
https://39auto.biz/winbell/registp/entryform2.htm
金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
本日は、法的な観点から「採用」についてお話したいと思います。
そもそも、企業には採用の自由が認められています。
古い判例にはなりますが、このように判示しています。
「法律その他による特別の制限>」については、男女雇用機会均等法や高齢者雇用安定法等の法律による制限のことですが、原則としては採用の自由を裁判所は認めています。
では、具体的にどのような自由があるのか?
それは・・・
- ①雇入れ人数決定の自由
- ②募集方法の自由
- ③選択の自由
- ④契約締結の自由
- ⑤調査の自由
です。
今日は、⑤調査の自由について解説したいと思います。
近年、採用候補者のリファレンスチェックやバックグラウンドチェックを行う企業も増えてきています。
私の個人的な意見としても、幹部候補など重要な人材の採用においては、時間と費用をかけてでも、このようなチェックをする価値はあると思います。
そして、法律上も調査の自由がありますので、このような調査を行うことは可能です。
もっとも、いくつか注意が必要となります。
まずは、調査の対象となる事項は、候補者の職業上の能力・技能や適格性に関連したものに限定し、プライバシーの侵害となり得るような事項(家柄、HIV等の病歴など)は調査すべきではありません。
場合によっては、損害賠償請求の対象となります。
次に、原則として、本人の同意を得ましょう。
リファレンスチェックの場合、前職の同僚や上司に話を聞いたりしますので、基本的に本人の同意がなければトラブルの原因になります。
最後に、調査の自由に関連して、よく質問をお受けするのが、精神疾患等の病歴について質問をしていいのか?というものです。
上記のHIV等の労働能力や適格性に関連しない病歴等は聞くべきではありませんが、精神疾患はについては、労働能力や適格性にも関連する事項になりますので、私は聞いて構わないとお伝えしています。
ただ、その聞き方には注意を要します。
必ず、候補者に対して、
という形で、なぜ精神疾患の病歴を聞くのか、その目的を共有した上で聞くようにしましょう。
直接、聞きづらいこともあるかと思いますので、私は採用面接時のアンケートの中にその質問を入れておくことをオススメしています。
「採用」は企業にとって最強の武器です。
あらゆる視点から自社に合う人材を確保するための工夫をしてみてください。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
バックナンバーはこちら 弁護士山口への質問箱





