ここがヘンだよ!モデル就業規則 その③ - 配転・出向|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.66
ここがヘンだよ!モデル就業規則
その③ - 配転・出向
ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
本日も「ここがヘンだよ!モデル就業規則」という連載をしたいと思います。
今回は、人事異動(配転・出向)についてです。
まずはモデル就業規則を見てみましょう。
2 会社は、業務上必要がある場合に、労働者を在籍のまま関係会社へ出向させることがある。
3 前2項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。
まずは、配転(第1項)からですが、実はこの点はモデル就業規則は悪くありません。
なので、このままでいいと思います。
逆に、今皆さんが使用されている就業規則をご確認いただき、配転時に従業員の希望を聞くなど従業員の意向に配慮したような規定が置かれていないかを確認してください。
もし、意向に配慮するような規定がある場合は、削除した方がいいと思います。
これは、決して配転時に従業員の意向を無視するためということではなく、就業規則上、配転の要件として、従業員の意向や希望を聞くという規定を設けると、それを必ず行わなければ逆に配転が無効と判断されることがあるからです。
配転時には、もちろん従業員の意向や希望に配慮するべきですが、それは運用面で対処すればいい話です。
次に、出向(第2項)についてですが、こちらについてはモデル就業規則は危険です。
出向の有効性が争われた裁判例においては、出向期間、出向中の地位、賃金・退職金等の従業員の処遇について、その利益に配慮した詳細な規定を設けておくと有効と判断される場合が多いからです。
逆に、モデル就業規則のようなあっさりとした規定の場合、出向が無効と判断されるリスクがあります。
具体的には、
2 前項の出向期間は、●年以内とする。ただし、業務上必要がある場合には、その期間を延長することができる。延長期間は、●年以内とする。
3 出向先での労働条件は出向元と同一とする。
4 出向期間は退職金算定における勤続年数に通算する。
5 出向先から出向元へ復帰する場合には、原則として原職に復帰するものとする。ただし、業務上必要がある場合には原職とは異なる職種へ復帰させる場合がある
このような形で、労働者の利益に配慮した詳細な規定を設けておくとよいでしょう。
出向については、皆さんの会社では頻繁に行われるものではないかも知れませんが、将来的に出向が必要になる場合に備えて、規定を整えておくことをオススメいたします。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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