ここがヘンだよ!モデル就業規則 その① - 休職|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.64

ここがヘンだよ!モデル就業規則
その① - 休職

ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
本日から数回に分けて、「ここがヘンだよ!モデル就業規則」という連載をしたいと思います。
厚生労働省がホームページで公開しているモデル就業規則は、一見すると国からの「お墨付き」で安心できそうですが、実はそのまま使うと会社が不利になる条文が多く含まれています。
今回はその中でも、休職規定についてお話したいと思います。
早速モデル就業規則の休職規定を見てみましょう。
① 業務外の傷病による欠勤が●か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき ●年以内
② 前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき 必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。
3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。
一見すると無難な表現に見えますが、実務的には大きなリスクがあります。
リスク1:休職制度が適用される職種等の制限がない
モデル就業規則では、正社員でも契約社員でもパート等でも、休職制度を使えるように読めます。
たとえば、試用期間中の従業員にも休職を認めるでしょうか?
休職制度を使える人と使えない人は明確に規定しておくべきです。
リスク2:休職の要件があいまい
モデル就業規則では、「業務外の傷病による欠勤が●ヵ月を超え」と規定されていますが、欠勤はせずとも体調不良で遅刻や早退を続けている人については、明確に要件に該当しないことになり、判断が難しくなります。
リスク3:復職の要件がない
モデル就業規則では、復職を認める要件が規定されていません。
明確に要件を定めるべきです。
これらのリスクを踏まえ、休職制度の設計としては、以前メルマガで紹介したこちらを参考にしてください。
以上のように、休職制度だけでも、モデル就業規則にはこれだけのリスクが潜んでいます。
もし、就業規則をモデル就業規則ベースで作成したという方はこの連載を見ながら、自社の就業規則を見直してみてください。
次回もモデル就業規則のリスクについて紹介します。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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