カムバック採用制度 その①|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.48

カムバック採用制度-その①-

ウィンベルの山口です。
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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
本日から数回に分けて「カムバック採用制度」についてお話したいと思います。
そもそも、カムバック採用制度という言葉自体、初めて耳にした方もいらっしゃると思いますので、この点の説明から始めたいと思います。
カムバック採用制度は、一度退職した人を再度雇用する制度です。
「カムバック採用制度」という言葉は勝手に私がそう呼んでいるだけで、「ジョブリターン制度」でも「アルムナイ(同窓生)採用制度」でも「出戻り採用制度」でも「元さや採用制度」でも名前はなんでもいいと思います(「出戻り」「元さや」は冗談ですが。笑)。
えっ、そんなことあるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、退職する理由は様々で必ずしもその会社が嫌になって辞めたという人ばかりではないはずです。
たとえば、
- 結婚を機に退職をして、子育ても落ち着いたから復帰したい
- 旦那の転勤でどうしても退職しなければならなかったがまた地元に戻ってきた
- 留学や大学院進学など学びの時間のために退職したが、卒業、修了したので復帰したい
- 一旦他社でも自分の力を試してみたかったから退職したが、成長した今の状態でまた復帰して貢献したい
- 親の介護でどうしても退職しなければならなかったが、ひと段落ついたので復帰したい
など、このような従業員側のニーズは実はあるんですね。
実際、大企業を中心にですが、この制度を導入している企業は増えてきています。
しかも、この制度、会社側にもかなりメリットがあります。
具体的には、
- ①採用コストの低減(採用ミスマッチも含め)
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新規採用よりも採用コストは当然抑えられます。
また、採用のミスマッチの可能性も低く、採用したものの短期間で退職したなど採用コストの無駄もなくなります。
- ②教育コストの低減
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すでに会社のことはある程度把握しているので、社内制度や業務のオペレーション等を教育するコストは確実に少なくて済みます。
教育担当者の時間も少なくて済みます。
- ③即戦力
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当然ですが、教育期間が不要(もしくは、きわめて短期間)であれば、即戦力として会社で活躍してくれます。
- (④人材のスキルアップ)
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他社での経験や留学等の学業で得たスキルなどを新たに会社で活かしてもらえれば、会社としてはプラスになります。
かなりメリットありますよね。
しかも、さらに人材不足が進む中で、このような制度を設けておいて、退職した従業員が積極的に復帰しやすい環境を整えておくことで、退職時のトラブルも減り、円満退職にも繋がるのではないかと思います。
ただ、この制度を導入する場合に、いくつか注意点もありますので、次回以降、その点も含めて解説していきたいと思います。
制度を作る際の規定例についても紹介したいと思います。
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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