休職制度の正しい理解|ウィンベル式無敵の労務管理Vol.46

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金曜日の今日は、「ウィンベル式無敵の労務管理」を配信します。
さて、本題です。
今日は、休職制度についての正しい理解についてお話したいと思います。
休職制度と言えば、私傷病等で仕事ができなくなった場合の猶予期間として会社が従業員に対して「体調がよくなるまで休んでいいよ。」という制度です。
多くの企業で導入されている制度だと思います。
皆さんの企業でも休職制度があるかなと思います。
もう少し詳しく説明します。
会社と従業員とは、当然ですが雇用契約を締結しています。
契約を締結すると、当事者には権利と義務が発生します。
雇用契約の場合、従業員には、給与をもらう権利と働く義務(労務を提供する義務)が発生します。
つまり、本来的には、私傷病等で仕事ができないというのは、従業員の労務を提供するという雇用契約上の債務について不履行の状態になるということです。
この場合、会社としては従業員の債務不履行を理由に雇用契約を解除できる(解雇できる)。というのが、原則です。
休職制度は、このような事態を避けるため、従業員に労務の提供義務を免除しつつ、労務提供ができる健康状態への回復期間を付与し、その間解雇することを猶予する制度です。
この休職制度に関して、よく質問を受けることがあります。
それが、

という相談です。
皆さんだったらどうしますか?
よくあるケースは、

です。
これは失敗するケースの典型です。
そもそも、休職制度は、「労務を提供できる健康状態に回復するのを会社が特別に待つ」制度です。
では、労務を提供できる状態ってなんでしょうか?
そもそも、その従業員との雇用契約で発生する労務提供義務の「労務」ってなんでしょうか?
当然ですが、休職前に従事していた仕事ができる状態に回復することですよね?それが契約ですから。
ここを誤解してしまう方がいるのですが、あくまでも従業員が負っている労務提供の義務は、休職前の業務を提供することです。
であれば、主治医の診断書でいくら「軽微な作業であれば・・・」と書かれていても、関係ありません。
また、お試し出社についても、軽微な業務をさせても全く無意味です。
軽微な業務をさせた結果、「休職前の業務ができる」との判断はできないからです。
結果として、どうなるかというと、お試し出社の後、復帰したら、また体調を崩し、休職・・・というループに入ります。
結論としては、休職した従業員を復職させる際の基準は、「休職前の仕事がちゃんとできるか」という点だけだということです。
そのための工夫として、就業規則に復職の条件として私傷病等の「治癒」とし、その「治癒」の定義を
本日は以上です。
それでは、よい一日を。
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